SpiQeソフトウェアは高い技術力で
高速開発・短納期・低コストを行う
福岡のシステム開発会社です
高畑勲監督の最後の作品
かぐや姫の物語
面白かったし、僕は見ていてつい泣いちゃったけど、超絶面白いかというと、どうにも不思議な感じ
映画を見たあと物凄くもやもやして...
第一の理由は、サブタイトルに罪と罰って書いておきながら、映画見ても最後までわからんです
これは反則(。>﹏<。)
そこでネットで色々調べてみると
原作の竹取物語を知っていないと罪と罰の意味がわからないと書いてあります
なんだかな~はじめに言ってくれたらいいのに(。>﹏<。)
そしてネットでは原作は仏教の教えを色濃く反映していて涅槃と言うのもが大きく関わっているということ
僕は仏教の教え自体は結構好きでそこらへんは多少は知っているつもりなのでピンと来ました
つまり
かぐや姫は、原罪を背負っていてこの世(地球)で修行して修行終わればあの世(月)に帰れるわけです
なるほど、と、いうことで一度は納得したんですが
でもなんか引っかかる、で竹取物語の原文を読んでみました
しかし、原文は古文なのであえなく断念(笑
現代語訳もあるのでそれ読んでみると、どうも僕が考えていた話ではありませんでした
以降、原作について僕なりの解釈/感想を書いて映画レビューします
※ 竹取物語自体、はっきりした原作が現存せずバージョンもいくつかあるらしいのであくまでも僕が読んだ原作のことです。念のため
まず、竹取物語の主役はかぐや姫ではありません、多分ですが...
竹取の翁と5人の貴公子ですね、こっち(。>﹏<。)
いや、結構衝撃的(笑
これら6人の人たちの失敗談で寓話なんだと思います
寓話ってのは平たく言うと昔の庶民の教育書のようなもの
だって物語のあちこちにことわざみたいなことを取り入れているんですもの
それをまとめるとこう
・石作の皇子→鉢を捨てることから図々しいことを「恥を捨つ」という
・車持の皇子→かぐや姫を騙した恥から逃げ隠れするこの事を「たまさかる」
・右大臣阿倍御主人→張り合いがないもの、「あえない」
・大納言大伴御行→割に合わないことを「あなたえがた」
・中納言石上麻呂足→少し嬉しいことを「かいあり」
とかんな感じで章ごとに戒めを伝える言葉でまとめてあるわけです
そして竹取の翁
この人がある意味主役かな、ご存知の通り話のクライマックスで衝撃の事実が...
もちろんかぐや姫が月の住人(高貴な人)ですぐに月から迎えに来るということなんですが
かぐや姫が言うには
・月には本当の母親と父親がいる
・月の時間と地球の時間は差があり月の時間は地球より遥かにゆっくり
だそう、まあここまではなんとなくわかります
でも次が知らなかった
いよいよ月から月の王がかぐや姫を迎えに来るんですが
当然、翁は泣いて嘆きます
その姿を見て王は翁に向かって以下のことを伝えます
・翁は下賤なやつだが、功徳を積んだ(功徳とはなにか?はよくわかりません)
・功徳の褒美としてかぐや姫と金を与えた、結果お前は裕福になった
そしてかぐや姫については
・かぐや姫は罪を犯しておられたが、罪の刑期は終わった(おられたと王が敬語?)
・本来お前みたいな下賤が一緒に暮らせるようなお方ではない(十分楽しんだではないか?)
だから
・何が不足だなぜ嘆く?かぐや姫は返してもらうぞ
うーん、まじですか?
翁はいいことをしたご褒美に、(王から見たら)一日限定のプリンセスかぐやと一緒に過ごせるツアープレゼント♬
みたいな感じなんですね(月と地球の時間が違うことがポイント)
僕は歴史学者じゃないのでわかりませんが
読む限り、いいことをして褒美があったんだからそこで満足しないといけないよ
身の程を知りなさいって書いているように感じます
そこにはもはや脇役のかぐや姫が犯した罪はどうでもいい感じがあります
そして、褒美と諦めというのは仏教の教えにも通じるところがあると思います
色即是空空即是色って最も有名なくだり
色、俗世というのは儚いもので中続きしない、いつかは手放さなければいけないものつまり空
俗世は儚い、儚い今だから、今を大事にしなさい、というふうに僕は解釈していますが
まさにその投影じゃないですかね?
一日限定のプリンセスとの時間を十分楽しめずに、その一日が長く続くと思い込み、あれやこれや先走って手放さない努力をする
月の人みたいな不老長寿でもないのに、固執しても意味がない、今が大事よって戒め
だと思いますがいかがでしょうね?兎に角、僕はそう感じました
最後に、帝はかぐや姫の残した不老長寿の薬を燃やしていますが、これは帝が人格者で理想の人間だと比喩しているんだと思います
帝は、はじめは尋常でないかぐや姫の美しさに我を忘れるも、その後3年間文通して、かぐや姫といい感じになります
また、かぐや姫が月に帰るときもその場にはおらず、翁のように取り乱すことなく冷静
そういう意味で理想の人間として描かれていると思います
さて原作はこんな感じ
かぐや姫の罪については明記されていません、本題とは関係がないので書いていないだけかもしれません
罰については爺さんにつきあわされたこと
かぐや姫の罪と罰がポイントではなく、かぐや姫という罪を抱えている宝物を得た爺さんの話だから
なお、原作も天の羽衣を着てかぐや姫が記憶をなくす(多分意味合いとしては正気に戻る)記載がありますが、人ではなく物的な冷たさがありました
このあたりからも主役はかぐや姫でないと感じさせられます
ちなみに主役が爺さんだから婆さんはほとんど出てきません
では、かぐや姫の物語ってどうなんでしょ?
原作を見た後、改めてかぐや姫の物語を考えると
まず主役の変更をしている段階で、これは高畑監督の創作なんだなと僕の中での評価が上がりました
えらそうで申し訳ないですけどね(笑
そして、僕が考える竹取物語の言いたいことと、高畑監督が書きたかったことは180度ちがうんだな、と
高畑監督は
だって原作に書いてあるんですよ。姫は「昔の契りによって来たんだ」と言うし、お迎えの月の人は「罪を犯されたので下ろした」が、「罪の償いの期限が終わったので迎えに来た」とかね。
僕のアイディアというのは、罪を犯してこれから地上に下ろされようとしているかぐや姫が、期待感で喜々としていることなんです。それはなぜなのか。地球が魅力的であるらしいことを密かに知ったからなんですよ、きっと。
しかしそれこそが罪なんだと。しかも罰が他ならぬその地球に下ろすことなんです。なぜなら、地球が穢れていることは明らかだから、姫も地上でそれを認めるだろう。そうすればたちまち罪は許される、という構造。それを思いついたんです
って言っています
原作では下賤って書いてあるんですが
高畑監督は、穢れていると表現しているあたりにポイントがあるのかもしれません
つまり、下賤の反対は高貴、穢れの反対は清らか
原作は、常識人の帝を登場させることにより高貴になるにはどうあるべきか?ってのがテーマな気がするんですが
高畑監督は世の中、俗世というもの(仏教で言うところの色)は全てが清らかというわけではないんだけど
うきうきして楽しいよね?って言いたいのかもしれません、わかりませんけど寓話的要素はないですよね
さて、罪と罰の答えについて監督の言う趣旨をまとめると
罪は穢れている地球が素晴らしいものだと考えたため、かくや姫は思想犯
罰は、その地球に流刑されたこと
と捉えられるんだけど、やっぱりしっくりこないな
だって地球に憧れたから地球に流すって、ふつうやるかね?
(^v^)!
あ、例えば天国の人が
「地獄は実はパラダイス!針の山はツボ刺激で体にいいし、血の池地獄でお肌ツルツルだぜ!」
って言いふらしたからこりゃ思想犯だ!地獄に流刑するから確かめてこい!そういうことか
なるほど、それならわかる!(≧▽≦)
前置きが長くなりました
まあ、物語の背景は置いておいて肝心の映画レビュー
正直、表現方法が斬新なアート作品だと思いました
映画にはアート作品とエンターテーメント作品があると思っていて
アートは見る人の感性が大きく関わっていて合う人合わない人いろいろかと
そういう意味で、アード作品でここまでの評価が得られる作品を作れるということは驚愕で
化物アニメだと思いましたが....
僕は、映画はエンターテインメントと思っているので個人的にはあまり好きではありません、ごめんなさいね
ただ、面白くないかといえば全然そんなことはなくて十分見応えあり、時間が長いという人いますが
それを感じさせないぐらいよく出来た映画だと思います
ただ、これも個人的ですが絵が見づらかった
チラチラするんでっすよね
目が悪いのでチラチラ苦手です
クリエイターからの圧倒的支持を受けているらしく、よくよく調べるとあの絵は見た目以上にアニメ化するのが難しく、まさに奇跡の芸術作品だと思うのですが
別にアニメじゃなくていいやん....ってのが正直な感想です
そんなこと言っていたら業界前に進まないのでこれはこれで素晴らしい取り組みだとは思います
でもね、アートは美術館で自分のペースで見たいんです
美術館で歩いている時、絵が自分を呼んでいるかのそういう感覚
立ち止まって見入るあの時間
一方的な速度で流されるアニメ的なアートって個人的にはあまり好きじゃないんですよね
それにね、こういうお金がかかる映画作っちゃうと次に続く作品作れなくなる気がするんですよね
かぐや姫の罪と罰、取りも直さず業界への罪と罰にもなっている気がするなぁ...
って、関係者が見たらご立腹されるな(笑、ま、こんなくそレビュー誰も見ていないか ( ´ー`)y-~~
そうそう、この映画見ていて思わず泣けてきたんですが、それで気が付きました
涙もろくなるのは老化のせいって言われていますけど、僕の場合原因はあれ!
これはまた別のレビューで書きます(笑
そんなこんなで好きな人には堪らない神アニメ、そうでない人もかなり面白いアニメでした