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いぬやしき~奥浩哉の凄み

※ ちょっとだけネタバレします、本作見たあとをおすすめします

GANTZで有名な奥浩哉先生原作の「いぬやしき」


amazonで映画見ました

全11話

非常に面白かったっす

大変上目目線のコメントで申し訳ないんだけど

奥浩哉先生ってGANTZの頃からみるとなんか吹っ切れた感があって円熟の境地に達したように思います

何故かと言うと、主人公が亡くなってしまう話の割には割りと爽やかなんですよね

悲壮感があまりない

なんでかな~とストーリーを遡って考えると

そもそも主役が地味で存在自体が羨ましくない

少年誌だったら企画段階で即アウト

いやはや、よくもまあこんな地味な企画、商業誌で連載できたもんだ

でもね

あのストーリーで主役が前途洋洋とした若者だったら

ああぁ気の毒だなぁ

という何とも言えない虚しさで終わるかもしれないけど

本人物語の冒頭で人生詰んでいるんだよね、余命3ヶ月と

しかも家族からは疎まれ、自分がなんでこの世の中に生まれてきたかと思わんばかりの状況

これが宇宙人の事故によって、泣いて喜ぶぐらい充実した人生を送れたわけである意味ハッピーエンド

そういうことをわかりやすくするために、作中犬屋敷壱郎は泣いて喜ぶシーンを多用して

悪役には影のあるイケメンを配置などなどとなかなか小憎い演出

とまあ、無謀とも思える企画だけど緻密に計算されて、さらに全体的に非常に丁寧に作られているなぁ、といういい作品

なんていうかバランス感覚が凄い、エンターテーメント性と自分が書きたいもののバランスが崩れると面白くないんやないかな?

前回のレビューでも書いたけどそういう感じ

GANTZと同じやん!って言う方もいらっしゃるかもしれないけど

丁寧さがぜんぜん違う

職人だよねぇ

前のレビューと重なるけど

これを同業者が「あいつはあれしかやれん」とか言ったらだめだよね

あれしかやれないからとことん突き詰める

職人だよねぇ

そういう姿勢は惚れます(*´ω`*)


実はアニメが面白かったんで原作も読んでみたけど

これ、原作とTVアニメほぼ一緒なんだよね

ストーリーはもちろん、構図さえも

切り詰めたところはあるみたいだけど単に尺の問題っぽい

丁寧な作りなんでアニメ化されるときもほぼそのままの形でやれたんじゃないかな?

ここまで一緒ってのは、そうそうはない気がする

まさに奥浩哉の凄みだね

大抵の人はそういう境地に達することができないと思う

同業者を馬鹿にするクリエータとか特にね

運と、才能と、本人の努力そういうものが揃ったんでこういう作品かけるんじゃないかな?

実に羨ましい(*´ω`*)


凄みといえば奥浩哉は女子キャラの可愛さも一つ抜けている感がありますねぇ

たしかGANTZの巻末に彼が趣味の粘土フィギュアを作るやつ制作過程含めて紹介してるのあったと思うんだけど

初めて作るとか言っときながら

みるみるディテールが作られて、プロ師顔負けの出来栄え

あのうまさは異常

実に才能にあふれている方で羨ましい限り

次の作品も楽しみだなぁ...(*´ω`*)